彼らが決める
- 4月9日
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更新日:4月14日
放浪の末、自ら歩みを止めた。家族になる日を決めるのは、彼ら自身なのかもしれない。

一昨年、私にとってかけがえのない存在だった愛犬を見送りました。捨てられてしまったようで、6年か7年ほど、ずっと外で暮らしていた子です。身体能力がとても高く、驚くほど賢い犬でした。
私はボランティアとして彼を預かり、人に慣れてもらってから、新しい家族のもとへ送り出す役目でした。でも譲渡した1ヶ月後、里親さんの家から脱走してしまったのです。そこから神奈川県の川崎市と横浜市という広い範囲を、縦横無尽に放浪する日々が始まりました。
毎日必死で追いかけました。チラシを配ったり、目撃情報があればすぐ駆けつけて現地の人々に聞き込みをしたり。でも、本当に途方もなくたくさんの大きな障害が次々に立ちふさがって、なかなか保護することができませんでした。
そんな日々が5ヶ月ほど続いた、ある晩のことでした。それまでどんな捕獲設備も軽々と避けて自由を満喫していた彼が、突然ふらりと設備の前にやってきたのです。隠れて様子を見ていた私の目の前で、彼はまるで迷いなく、ゆったりと歩いてトラップの中へ入りました。
放浪していた子がうっかりトラップに入ると、通常はひどくパニックになったり、必死のあまり噛み付いたりします。でも、彼は私が近づいていくと、落ち着いてどすんと伏せをして、「つかまってやったよ」と言っているような目でこちらを見ました。そして、その日から彼は、本当の意味でうちの子になったのです。
それから2年ほどが経った頃、私はもう一頭の元野犬と出会いました。東京都内の広い公園を、とても臆病そうに放浪していた子です。そしてその子も決して人の手には捕まりませんでした。
でも毎日食事を持って通い、呼べば姿を現すようになり、一緒に走って遊んだりするようになりました。それでもなお、指一本触らせてはくれませんでした。でも4ヶ月ほど経ったある日突然、まるで自分で決めたかのように、私に捕まりに来てくれたのです。
猫もたくさん保護してきましたが、みんなどこからか突然に現れ、とあるタイミングからふと捕まえるチャンスをくれるのです。
誰と一緒に暮らすか、いつ、どのタイミングでその家族のもとへ行くか。それは、もしかしたら動物たちが、彼ら自身の意思で選んでいるのかもしれない。そう思うようになったのは、この子たちとの出会いがあったからです。



